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楢葉町地域活動拠点施設
まざらっせ

Regional activities base facility

in Naraha-town

所在地:福島県双葉郡楢葉町大字下

    小塙字久保田63-3

主用途:公民館・図書館

設計:PERSIMMON HILLS architects

担当:廣岡周平 柿木佑介 池谷浩樹

施工:株式会社加地和組

構造設計:円酒構造設計

設備設計:ZO設計室

照明設計:杉尾篤照明設計事務所

サイン設計:Bushitsu

構造:RC造

階数:地上1階

敷地面積:2834.72㎡

建築面積:583.20㎡

延床面積:583.20㎡

設計:2021年11月~2022年3月

工事:2022年7月~2023年3月

竣工:2023年3月

写真:中山 保寛

楢葉町地域活動拠点施設「まざらっせ」は、今までの公民館を改修した施設です。もともとこの建物は保育所として使われていました。RCラーメン造の建築で、南側の園庭に対して、半透明の軒下空間を持った明るい建物でした。しかし町の人口が減る中で児童数も減り、この保育所が閉鎖され、震災前の2010年に公民館として用途変更が行われました。その後東日本大震災により、楢葉町が原発事故の影響で警戒区域に指定され、その間は人が立ち入れず、2015年に避難解除されるに至りました。この施設のプロポーザルが行われるまでにも、ならはCANVAS、笑みふる商店街、災害公営住宅など、避難していた方が戻ってくるための拠点が整備されていき、現段階ではさらなる移住者を受け入れるフェーズです。その中で地域住民と移住者がともに活動していく拠点としてこの公民館の改修のプロポーザルが行われました。

この計画は建築確認を要しない範囲の工事で対応できる改修を前提としました。RCラーメンの開放的な空間に大らかな木天井を設え、開口部を広くし、内部の建具を大きな引戸とし、居場所を作る様々な家具を提案しました。外からも活動が見えるようになり、外部から内部まで様々な居場所のグラデーションが生まれています。

木天井は県産材の杉を斜めに貼り、照明と同じサイズの杉ルーバーで陰影をつけ、内外にまたがりながら建築全体を大らかに包んでいます。家具は内外にまたがるような小上がりや、テーブル、本棚、木のカウンターボックスを設け、それぞれに質感の異なる居場所としました。外部空間も、もともとあった大階段を延長したり、芝生をつけたり、デッキを設えたりと、庇の有無・内外の境界だけでなく、様々な質の違いを持つことで活動の違いを受け入れていく計画です。

愛称の「まざらっせ」は、「一緒にまざりましょう」という地域の方言で、いつでも優しく仲間に迎え入れてくれる不思議な力をもった言葉です。開放的な空間で、地域の活動や新たな交流を受け入れ、まざりあっていく、地域と移住者がこれからの楢葉町を生み出す舞台です。

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